消費支出の増加を、どう販促計画につなげるか──市場・消費動向分析の制作見本を公開

公開日:2026/11/03

消費支出が増えているからといって、商品が以前より多く売れているとは限りません。価格が上がれば、買う量が変わらなくても支出金額は増えます。また、世帯の人数や、何にお金を使っているかによって、同じ数字でも意味が変わります。

販促計画に統計を生かすには、数字の増減だけでなく、その中身を確かめることが欠かせません。当社では、市場・消費動向分析の進め方をご紹介するため、総務省統計局「家計調査」の公開データを使った制作見本を作成しました。本記事では、その内容の一部をご紹介します。

01 消費支出の増加と需要の拡大は同じではない

家計調査(2025年平均)によると、二人以上の世帯の消費支出は、名目で前年比4.6%増えました。一方、物価の変動による影響を除いた実質では、0.9%の増加にとどまっています。支出金額の伸びには、物価上昇の影響が大きく含まれています。

店舗の売上金額についても、金額の増加だけで需要が拡大したとは判断できません。販売数量、客数、平均単価のどれが動いたのかを分けて確かめる必要があります。

02 同じ食品でも支出の動きは異なる

品目別に見ると、米の年間支出額は前年の27,196円から42,739円へ、57.2%増えました。一方、パンは34,609円から34,244円へ、1.1%減っています。同じ主食でも、支出は逆の方向に動いています。

「食品の支出が増えた」とひとまとめにすると、こうした違いは見えません。販促計画では、品目ごとに動きを確かめることが出発点になります。

ただし、米の支出増が価格の上昇によるものか、購入数量の増加によるものかは、支出金額だけでは区別できません。店舗の販売数量や平均単価と照らし合わせて確かめる必要があります。

03 外食を除くと、40代と60代の食料費はほぼ同じ

世帯主の年代別に月平均の食料費を比べると、世帯当たりでは40代が最も高くなります。40代の世帯は平均3.73人と人数が多く、世帯人数の違いが支出額に影響していると考えられます。

ところが、食料費から外食費を除くと、40代は月77,505円、60代は月78,412円で、ほぼ同じ水準になります。40代の外食費が月22,417円と、60代の13,797円より大きいためです。なお、家計調査の外食費には学校給食も含まれます。

品目別では、魚介類、野菜・海藻、果物の支出額は、60代と70歳以上の世帯が40代を上回っています。たとえば魚介類は、40代の月4,787円に対し、60代は6,469円、70歳以上は7,668円です。

世帯人数で割った1人当たりの参考値では、60代が最も高く、70歳以上も60代に近い水準です。世帯の合計額だけで客層の優先順位を決めると、人数の少ない60代以上の世帯を、実際より小さく見積もるおそれがあります。

04 数字から販促仮説を立て、店舗データで確かめる

制作見本では、これらの結果から二つの販促仮説を立てています。

一つは、40代の世帯に向けた仮説です。外食費が大きいことから、外食の一部を、総菜や簡便調理品を使った家での食事に置き換えてもらえるかを確かめます。

もう一つは、60代以上の世帯に向けた仮説です。世帯人数が少なく、魚介類・野菜・海藻・果物への支出が40代を上回ることから、米の少量規格や生鮮食品の小容量商品が選ばれるかを確かめます。

どちらも、全国統計から直接言える需要ではありません。統計が示せるのは、確かめる価値のある候補までです。実際の計画では、商圏の世帯構成、店舗の販売実績、価格帯、粗利益などと照らし合わせます。そのうえで試行の前後で販売数量や客単価を比べ、続けるか、直すか、やめるかを判断します。

公開統計で確かめられることと、店舗の情報で確かめるべきことを分ける。この制作見本では、その考え方に沿って、分析から販促計画までの手順を示しています。

05 制作見本のご案内

市場・消費動向分析|制作見本(PDF・全8ページ)
「消費支出の増加は、需要の拡大を意味するのか」

2024~2025年の家計調査をもとに、消費支出の全体動向、商品分野別の変化、年代別の食料費とその内訳を整理しました。さらに、二つの販促仮説と、それを確かめる手順までをまとめた自主制作資料です。

市場・消費動向分析|制作見本(PDF・全8ページ)

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市場・消費動向分析_制作見本_261104.pdf

本資料は無料でご覧いただけます。社内での共有や、出典を明示した企画提案時の紹介にもご利用いただけます。内容の改変・転載・再配布については、事前にご相談ください。

※本資料は、総務省統計局「家計調査」の公開データを使用して当社が独自に作成したものです。特定企業向けの納品資料を転用したものではありません。

ご依頼いただく場合

当社では、広告会社・販促制作会社の皆さまが、小売チェーン向けの企画提案に活用できる市場・消費動向分析資料の制作にも対応します。

複数の提案先に共通して利用できる「標準分析版」と、特定の地域・業態・小売チェーンに対象を絞った「個別分析版」を想定しています。

いずれも、提案書への組み込みや編集ができるPowerPoint形式での納品に対応します。標準分析版は複数社への提案利用を認め、個別分析版は指定した提案先での利用を基本とします。

また、小売チェーン本部から直接ご依頼いただく場合には、商圏や店舗の状況を踏まえ、販促課題の整理や施策の検討を行います。

分析項目、資料の形式、利用範囲、費用については、ご利用目的を確認したうえで個別にお見積もりいたします。

地域・対象月を絞った分析の例

特定の地域・業態・対象月に絞った分析事例として、「販促環境分析レポート(東海地方版)」も公開しています。

東海地方の食品スーパーにおける2026年12月の販促をテーマに、消費・販売・景況・気象などを5つの層から分析し、重点商品群や販促上の仮説、計画を見直すための判断材料を整理したものです。

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記事公開:2026年11月/制作見本PDF作成:2026年11月

出典:総務省統計局「家計調査」2025年年報

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